技術者はどの分野についても同様ですが、殊に計算技術分野においては、技術革新が急速で、また適用範囲が爆発的に拡大している状況のもとで、常に新しい情報に接し、その技術を吸収し、着実に肉とし骨としていかなければなりません。 計算機世界に興味をもち、未知の世界に謙虚に、柔軟に、かつ率直に対峙しなければならないのです。地味で労苦の多い作業の連続です。今日の情報過多の時代においては、技術を話題として蓄積することは比較的容易です。その話題性のために、ともすれば自己の技能の錯誤し、消化吸収の努力を忘れがちな時代ともいえます。学問に王道はなく、ローマは一日にしてならないのです。。技術者にとって身となった技術のみが財産であり、その深化のみが知的抑圧から開放される手段となると考えます。 計算機利用技術の正解では、裾野が広く、初級レベルの技能に対しても多くの仕事はあります。しかし年々より高度の技術を開拓していかなければ、いずれ脱落を余儀なくされるでしょう。技術向上なきものは去る・・・・これが従来よく言われ30才、あるいは35才定年説なのです。意欲ある限り技術者は存在を主張できるはずです。技術者には本来定年制はなじめず、情熱を失った時がその存在を失う時ということになります。 |
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